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孤独死が発生した際の「原状回復」義務と保険適用範囲(大阪版)

  • 2025.12.24
「故人のスマホ、月額料金がもったいないからすぐに解約してもいい?」「ネット銀行の残高があるはずなのに、ログインできなくて困っている……」。
遺品整理の現場で、物理的な不用品以上に「どうすればいいのか分からない」とご遺族を悩ませているのが、このデジタル遺品です。

現代において、スマホ一台の中には銀行口座、証券、思い出の写真、さらには毎月自動更新されるサブスクリプションなど、膨大な情報が詰まっています。安易にショップへ駆け込んで解約したり、初期化したりすることは、大切な遺産を永遠に失うリスクや、思わぬ金銭トラブルを招く恐れがあります。本記事では、2025年最新の法的・技術的ガイドラインに基づき、安全なデジタル遺品の整理手順を解説します。あなたは、正しい順番で整理を進められていますか?

1. スマホ解約前にすべきこと:二段階認証の維持

「まずは固定費を減らしたい」というお気持ちはよく分かりますが、通信契約を急いで解除するのは得策ではありません。なぜなら、現代のネットサービスの多くは「SMSによる二段階認証」がログインの鍵になっているからです。

生体認証の取り扱いと解約のタイミング
死後の指紋認証などの使用は、法的・倫理的な観点から推奨されません。また、通信契約については「必要な情報の抽出と、関連サービスの確認が完全に完了するまで」は維持するのが実務上の鉄則です。
  • 正規の手続きを: ログインできない場合は、各キャリアやメーカーに対し、相続人としての証明(戸籍謄本等)を提示して正規の開示・承継手続きを行ってください。
  • 初期化の禁止: 契約解除と同時に端末を初期化してしまうと、二度と復元できないデータが多々あります。

2. SNSアカウントの追悼設定:最新ポリシーの確認

SNSアカウントは、放置すると乗っ取りやスパムの温床になり、故人の名誉を傷つける恐れがあります。Meta社(Facebook/Instagram)やX(旧Twitter)では、追悼のための制度が設けられています。

  • Facebook/Instagram: 追悼アカウントへの移行申請が可能です。あらかじめ「追悼アカウント管理責任者」が指定されていない場合でも、親族からの証明書類の提出で対応してもらえます。
  • X(旧Twitter): 規約変更が頻繁に行われていますが、基本的には「ログインのないアカウントは削除対象」となる可能性があります。思い出を残したい場合は、公式のヘルプセンターからアカウントの削除、または追悼に関する最新の申請フローを確認すべきだと思いませんか?

3. ネット銀行・証券の探し方:信用情報機関を活用する

通帳や郵送物がないネット完結型の資産を見つけるには、メール履歴の調査に加えて、専門機関への照会が有効です。あなたは、以下の「3大信用情報機関」の存在をご存知でしょうか?

相続人による情報照会(JICC / CIC / KSC)
故人のクレジットカード利用状況やローンの有無、銀行取引の痕跡を以下の機関で確認できます。
  • JICC・CIC: 主にクレジットカードや消費者金融の契約状況。
  • KSC(全国銀行個人信用情報センター): 銀行口座や銀行ローンの状況。
  • 照会方法: 郵送またはインターネットで可能です。相続人であることを証明する書類(戸籍謄本、身分証明書等)が必要で、1件あたり1,000円程度の手数料がかかります。

4. サブスクリプション解除の「正しい順序」

月額課金サービスの停止は、クレジットカードを止める前に行うのが理想的です。順序を間違えると、思わぬ二次被害が発生することをご存知でしょうか。

  • 公共料金の切り替えが先: クレジットカードを停止すると、電気・ガス・水道の支払いも確実に止まります。まずはこれら固定費の支払方法を相続人の名義に変更してから、カードの停止手続きに進んでください。
  • Apple/Googleの管理画面: スマホが操作可能な場合、設定画面の「サブスクリプション一覧」から解約手続きを行うのが最も確実です。
  • カード明細の精査: 過去1年分の明細を遡り、年払いのサービス(Amazonプライムやウイルス対策ソフトなど)も見逃さないようにすべきだとは思いませんか?

5. パスワード解除業者の選び方:技術と信頼の精査

どうしてもログインが必要な場合、専門業者への依頼が選択肢に入りますが、2025年現在でも最新機種のセキュリティ解除は技術的に非常に難易度が高いのが現実です。

  • 法的証明の提示: 優良な業者は、犯罪防止のため、必ず相続人であることを証明する書類の提示を求めます。これを求めない業者は避けるべきです。
  • 技術力の見極め: 端末を預けてデータが消失するリスクを明確に説明してくれるかを確認してください。費用は数万円から、難易度によっては数十万円に及ぶこともあります。
  • 弁護士会照会(23条照会)の検討: 特定のサービスへのアクセスが必要な場合、弁護士法第23条の2に基づき、弁護士から企業へ照会をかけることが可能です。ただし、費用がかかることや、プライバシー保護の観点から必ずしもすべての回答が得られるわけではない点は、理解しておくべきだと思いませんか?
デジタル遺品の整理から物理的なお片付けまで
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Purchase&Planningは、大阪・兵庫を中心に遺品整理のプロとして、ご遺族の不安に寄り添います。デジタル遺品の初期対応のアドバイスや、専門家への橋渡しも承っております。

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まとめ:デジタル遺品整理は「焦らず、順番に」

デジタル遺品整理において、最大の敵は「焦り」です。固定費を減らしたい一心でスマホやカードをすぐに止めてしまうと、資産の全容解明が不可能になったり、公共料金の停止といった二次トラブルを招いたりします。
まずは通信環境を維持し、信用情報機関(KSC/JICC/CIC)への照会やメール履歴の確認を通じて「資産と負債」を明確にする。その上で、公共料金の名義変更を済ませてから、サブスクリプションやカードの解約へと進む。この慎重なステップこそが、あなた自身と故人の名誉を守る唯一の方法です。あなたは、この複雑なパズルを独りで解こうとしますか?それとも、プロの知恵を借りて一歩ずつ進みますか?

デジタル遺品整理に関するQ&A

故人のスマホが指紋や顔認証で開かない場合、勝手に試して大丈夫?
何度も失敗すると端末に強力なロックがかかり、二度とデータが取り出せなくなるリスクがあります。特にiPhoneなどは、数回失敗したらそれ以上は控え、キャリアやメーカーの正規窓口に「相続人としての開示請求」が可能か相談してみてくださいね。
ネット銀行の口座があるか、弁護士に頼めばすぐわかりますか?
「弁護士会照会(23条照会)」を利用すれば、特定の金融機関に対して口座の有無を確認できます。ただし、日本中のすべての銀行を一度に調べることはできません。まずはメール履歴などで「〇〇銀行」という目星をつけ、その上で弁護士へ依頼するのが効率的ですよ。
サブスクリプションの解約が間に合わず、引き落とされてしまいました。
死亡後の利用がないことを証明できれば、返金に応じるサービスもあります。ただし、手続きには多大な労力がかかるため、気づいた時点で早急に運営会社へ「契約者死亡による解約」を申し出ることが最優先です。クレジットカード会社への連絡も並行して行ってくださいね。
パーチェスアンドプランニング代表竹内優貴

Purchase&Planning 代表
竹内 優貴

この記事の監修

遺品整理士協会認定 遺品整理
遺品整理士協会認定 遺品査定
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大阪府警本部 許可 古物商取得

大阪・兵庫を中心に遺品整理・不用品回収を18年行っているPurchase&Planning。業界の良いところ、悪いところ熟知しています。

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