テレビはなぜ粗大ごみとして捨てられない?家電リサイクル法が定める理由と資源問題
- 2025.11.28
テレビはなぜ粗大ごみとして捨てられない?家電リサイクル法が定める理由と資源問題
「まだ動くのにテレビが粗大ごみに出せないのはなぜだろう?」「リサイクル料金を払う必要があるのはおかしいのでは?」
テレビは、エアコンや冷蔵庫などと並び、家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)の対象品目となっています。そのため、お客様がお住まいの自治体の粗大ごみとして処分することは法律で固く禁じられているのです。
💡 テレビが粗大ごみとして捨てられない理由
テレビが家電リサイクル法の対象となる背景には、主に次の2つの重要な理由が挙げられるでしょう。
- 有害物質の適正処理義務: 特に古いブラウン管テレビなどには、環境や人体に悪影響を及ぼす物質(鉛など)が含まれており、専門設備での処理が必須でした。
- 貴重な資源の再利用義務: テレビは、鉄、銅、貴金属といった再利用価値が高い資源の塊であり、埋め立てずに資源として循環させる責任があります。
1. 有害物質の放出を防ぐ:専門的な処理が必要な物質
冷蔵庫がフロンガスを理由にリサイクル対象となっていることは、ご存知でしたか? テレビもそれと同様に、その構造から環境負荷を低減するための特殊な処理が求められる物質を含んでいます。
かつてのテレビに含まれた有害物質
特に注意が必要なのは、かつて主流だったブラウン管テレビでしょう。
- 鉛(なまり): ブラウン管テレビのガラス部分には、放射線を遮断する目的で多量の鉛が使われていました。この鉛が埋め立て処分されると、雨水などによって溶け出し、土壌や地下水を汚染する可能性があります。
- 水銀: 液晶テレビのバックライトの一部には、水銀を含む蛍光管が使用されていました。これも不適切に解体されると環境中に放出される危険性があったのです。
これらの物質は、一般の焼却炉や埋立処分場では安全に処理することができません。そのため、環境省の定める基準を満たした専門のリサイクル工場で、厳密に管理された工程で回収・除去することが義務付けられているというわけです。
2. 貴重な資源の宝庫:テレビのリサイクルで得られる資源
テレビが粗大ごみとして捨てられないもう一つの大きな理由として、そのほとんどが再利用できる貴重な資源で構成されている点が挙げられます。 もしこれらの資源をただのゴミとして埋め立ててしまったら、地球の限りある資源を無駄にしてしまうことになるでしょう。
テレビから回収される多様な資源
- 鉄、銅、アルミニウム: 本体や配線、基板などに多く使用されています。これらは高純度で回収されれば、自動車や新たな家電製品の原料として再利用できるのです。
- プラスチック: 外装ケースや内部部品に使われているプラスチックも、素材ごとに選別され、リサイクルされます。適切な分別を行うことで、新たな石油資源の使用量を減らすことに貢献します。
- レアメタル・貴金属: テレビの電子基板には、金、銀、パラジウムといった貴金属や、希少なレアメタルが含まれています。これらは「都市鉱山」とも呼ばれ、リサイクル技術によって回収され、電子部品などに再利用されるのをご存知ですか?
家電リサイクル法は、製造業者がこれらの資源を責任をもって回収・再利用する「製造者責任」の原則に基づいています。この仕組みにより、埋め立て処分される量を減らし、持続可能な社会の構築に大きく貢献していると言えるでしょう。
家電リサイクル法が環境を守る仕組み
テレビの環境負荷を減らし、資源を循環させるために制定されたのが「家電リサイクル法」でした。この法律は、テレビを粗大ごみとして処分することを禁じ、リサイクルルートに乗せることを義務付けています。
法律に基づく義務と役割
- 消費者(私たち): テレビの処分時にリサイクル料金を負担する義務があります。
- 小売業者: 消費者から不要になったテレビを引き取る義務があります。
- 製造業者・輸入業者: 引き取った製品を、専門の施設で適切にリサイクルする義務があります。
この仕組みがあるからこそ、お客様が支払ったリサイクル料金によって、テレビは不法投棄されることなく、専門の設備を持つリサイクル工場へ運ばれます。そこで、有害物質の適正処理と、貴重な資源の高度な回収が実現できるというわけです。
まとめ
テレビが粗大ごみとして捨てられないのは、単なる面倒なルールではありません。それは、地球環境と限りある資源を守るための重要な義務に基づいているのです。 テレビを処分する際は、リサイクル料金を支払い、小売店や自治体が案内する正規のルート、または許可を持った不用品回収業者へ依頼することが、私たちの未来を守るための賢い行動と言えるでしょう。
【当社の不用品回収サービスについて】
当社では、家電リサイクル法に基づき、テレビを適切なリサイクルルートに乗せ、迅速かつ安全に処理いたします。安心してお任せください。また、高年式テレビは買取サービスもご利用いただけます。

Purchase&Planning 代表
竹内 優貴
この記事の監修
遺品整理士協会認定 遺品整理士
遺品整理士協会認定 遺品査定士
特殊清掃センター認定 特殊清掃士
大阪府警本部 許可 古物商取得
大阪・兵庫を中心に遺品整理・不用品回収を18年行っているPurchase&Planning。業界の良いところ、悪いところ熟知しています。
お見積もりは、どこでも無料ですので、ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
会社名:Purchase&Planning
住所:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目2−2 地下1階 駅前第2ビル B1
TEL:0120-85-8645
営業時間:10:00~20:00
定休日:不定休
